フジテレビ経営刷新に残る不審〜株主総会で決着できるか?〜
フジテレビとフジ・メディアHDの経営陣はほぼ重複
3月27日、フジテレビの経営刷新が発表された。これについてはすでに東洋経済オンラインで書いたので詳細は省く。そちらの記事ではいくつか残るモヤモヤを書き、特にフジテレビとフジ・メディアHDの役員陣がほとんど一緒であることのガバナンス上の懸念を強調した。

フジ・メディアHD発表資料より筆者作成
新経営体制ではHD会長金光氏がフジテレビにいないのと、フジテレビの大野氏、福井氏がHDにいないことを除くとまったく同じ面々だ。清水社長は「経営監督と業務執行の分離」を今回の考え方の一つに挙げた。確かにフジテレビには取締役とは別に執行役員が新たに選出され、経営と執行の分離がなされた。だが持株会社ではHDと各業務会社の間でも「分離」がなされるべきなのに、それができてないことになる。
フジ・メディアHDにはフジテレビ以外にも、メディア関係ではローカル局や広告代理店、出版社など様々な会社があり、大きな利益減である不動産事業もある。それらの経営監督もフジテレビの取締役陣が兼務して行うのは無理があるのではないか。
コンプライアンスが疑われているフジテレビを建て直しつつ不動産事業の監督もするなんて普通できないだろう。
各局の報道でこの経営刷新は取り上げられたものの、誰もそこは問題視していなかった。と思っていたらTBS「サンデージャポン」に出演した元経産相・岸伸幸氏は強く指摘していた。
私や岸氏でなくても、株主総会では指摘ポイントになる可能性がある。
フジテレビに限らず放送局の皆さんは持株会社を理解しているのか疑問に思うことが多い。テレビ局が親会社であるのと同じに捉えているのではないか。これはテレビ局に限らず大企業が持株会社体制に移行する時に起こりがちだ。元々親会社子会社の関係だったのをそのまま持株会社体制にするのでそうなってしまう。
プライベートカンパニーのままなら勝手にどうぞとなるが、株式上場をしているのならツッコミどころとなる。特にフジ・メディアHDのように主な利益がテレビ局とは別の事業会社にある場合、問題視されかねない。フジ・メディアHDの現状で言うとフジテレビは利益面で足を引っ張る存在だ。株主からすると「フジテレビは売却して不動産事業中心にすべきだ」と言いたくなるはずだ。「フジテレビあってのフジ・メディアHDではないか!」と感情的に反論しても意味はない。せっかく不動産で儲かってるのにテレビ局が赤字なら売り払うべきだ、というのは至極まっとうな考え方なのだ。
その場合、放送局独特の「認定放送持株会社」ではなくなるが、投資対象として見ればそんなの関係ない。と言うより、「認定放送」が取れてただの持株会社になれば、国内資本の出資制限3割がなくなり、過半数の株主になることも可能になる。加えて外資の出資制限2割もなくなり、外資の乗っ取りもできることになる。
よく話題に出る外資の株主がどこまで野望を持っているかわからないが、もし「フジ・メディアHDは何といっても不動産事業がおいしい!」と思っていたら(そして実際そこがおいしい!)、フジテレビは売却せよと言い出してもおかしくないのだ。
その時、フジ・メディアHDの取締役陣が「私たちはフジテレビの利益を守らねばならない」と言い出したらおかしなことになる。フジテレビとフジ・メディアHDの取締役陣の重複は、そんな懸念をはらんでいる。
結局は金光体制?(そして日枝氏は影の院政?)
ここからは憶測の範囲を超えないので、そのつもりで読んでもらいたい。
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