島根の報道マンが中国相手のファンビジネスを増殖中!〜さんいん中央テレビ岡本敦氏インタビュー
総務省の放送制度に関する有識者会議の中に「放送コンテンツの制作・流通の促進に関するワーキンググループ」という分科会がある。第3回(3月22日)では3つのローカル局の新たな取り組みが紹介された。その一つにさんいん中央テレビの発表があり、その内容の斬新さに強く惹かれた。2つ題材があり、実は一つが先日記事にした『かまいたちの掟』だ。そしてもう一つが、発表した岡本敦氏自身が携わっている「中国越境ビジネス」だった。株式会社ACDというANAも参加するジョイントベンチャー企業に出向し、コンテンツで日本と中国を繋いでいるという。『かまいたちの掟』の川中氏に続いて、岡本氏にもインタビューした。見えてきたのは、テレビ局での経験を活かした、テレビ局とはまったく違う映像ビジネスだった。
インタビューに応じてくれた岡本敦氏(Zooom画面よ
ANAの中国向け越境EC事業ACDにさんいん中央テレビが出資
以下、「」内は岡本敦氏の発言
---岡本さんの肩書きはさんいん中央テレビのコンテンツプロデーユース局担当局長であるとともに、株式会社ACDの執行役員グローバルメディア本部長とも表記されています。ACDは何をやる会社なのでしょうか。「株式会社ACDは 大きく言うと中国進出企業のサポートをやっていてライブコマースだけに限らず、越境ECなどの実務や、中国でも見れる情報ページ、いわゆるホームページを作ったりしています。」---中国に日本の商材を売りたい人のサポートをトータルにやってあげる会社なんですね。「元々ANAと投資会社のCX株式会社が中国に向けた 越境ビジネスのために2016年に始めたのがACDでした。CXの社長古居さんがACDの社長としても立っています。」
---そこにさんいん中央テレビが関与した経緯は?「弊社社長の田部長右衛門とACDの古居社長がたまたま、同じ島根県雲南市生まれなんです。田部としてさんいん中央テレビの新しい収入源をどう確保するか模索している最中でした。テレビ局のコンテンツ制作力をスケールの大きな中国マーケットに挑むACDで活かせれば大きな可能性が出てくるのではと、2021年の12月に業務提供を発表しました。当初は20%程度の出資でしたが今年の2月に増資して40%以上の最大株主になっています。」
--そこに岡本さんが行ってくれと言われたわけですね?「僕は元々報道ですが、2013年から18年は東京支社にいて営業と編成、そして海外展開に関与した経験はありました。2018年から本社に戻って21年の12月までは報道部長だったのですが、この提携に誰かを行かせる話が聞こえてきて、やっぱり自分に来たかと。新しいことは、むしろ好きな方なので、喜んで引き受けました。」