メディアの進化を考えていたら地元のメディアにたどり着いた〜大田区民のメディア創設を目指して

私は長らく「テレビとネット」を軸に、メディアの変化を追ってきた。そんな私がいま、「自分が30年間住んでいる大田区のメディアを作らねば」と考えるようになった。ついに「区民記者」の募集を始めている。2027年4月のスタートを目指して準備を始めた。
Netflixなど新しい配信サービスを中心にメディアの近未来を取材し情報発信してきた私が「地元のメディア」を構想するに至ったのは、自分でも不思議で仕方がない。
きっかけは、個人的な経験だった。
私は大田区に30年以上住んでいる。子どもの誕生を機に越してきて、二人の子育ても終えた。だが正直、大田区という住所に思い入れはなく、便宜上のものとしか捉えていなかった。だがここ数年、気になることが重なってきた。
ひとつはリニア新幹線の工事だ。品川が始発駅になるリニアは、大田区の地下も通る。私の家の真下をトンネルが通ると知ってびっくりした。工事の影響は地盤や地下水にどう及ぶのか、安心できる工事なのか。気になって説明会に行ったがJR東海の姿勢には疑問を感じた。だがそういったことを詳しく報じたニュースは見当たらない。
(この件についてはこのマガジンに記事を載せている)
もうひとつは、昨年9月のゲリラ豪雨だ。短時間で私の家の前の道が川のようになり、今にも浸水しかねなかった。あの雨はなぜあれほど激しかったのか、大田区のどこが弱いのかなどなど知りたいことが山ほど湧いたのに、答えてくれるメディアはない。
そこで気づいたのが、東京のメディアの奇妙な構造だ。
全国紙もテレビも、東京に本社を置き、東京から発信している。だがそれらが報じるのは日本のことであり、永田町や霞が関のことだ。足下の東京23区それぞれの行政、地域の政治、住民の暮らしに直結する問題はほとんど視野に入っていないように見える。大田区で何かが起きると瞬間的にはニュースになるが、それを継続的に追うメディアは存在しないに等しい。全国を、世界を見渡すメディアが、自分たちの足下を見ていない。米国では地方の町から新聞が消え、ニュース砂漠が生じているという。日本では、大メディアが集まる大都会東京でこそ、ニュース砂漠が起きているのだ。
メディアの変化を長年追いかけてきた私は、この空白に気づこうともしていなかった。メディアの最先端の話題には詳しくても、30年暮らした町のことを何一つ知らなかった。知らなかったことを、ようやく知った。
大田区の人口は74万人。小さな県のレベルだ。(鳥取県=約53万人、島根県=約64万人、高知県=約66万人、徳島県=約70万人)各県には新聞社もあればテレビ局もある。だったら大田区にメディアがあってもいいはずだ。
だから、「大田区のメディア」を作ることにした。
もちろん一人では作れない。だからと言って、マスメディアでさえ厳しい時代に、大勢の編集部で運営するメディアは無理だ。
だったら、区民が作るメディアとして運営できないか。私のように、地元のことを気にかけ、地元のことを知りたい区民は多いはずだ。そんな人たちと力を合わせて自ら取材し、自ら届ける大田区のメディアができないか。
「OTA VOICE」と名付け、区民記者、区民スタッフの募集を始めた。まだ始めただけだが、果たしてどうなることか。その経過は、またここで書いていく。
視聴率と正義が日本のニュースをおかしくしている
大田区のメディアを考え始めてから、各ニュースが何を取り上げているかが気になるようになった。そうして感じたのは、日本のテレビはどうかしてる、ということだ。
如実に感じたのが、この時だ。
提携媒体
コラボ実績
提携媒体・コラボ実績

