フジテレビはあの件を反省するあまり、あの件以上の間違いをこの件でしでかしてしまった
炎上案件は扱わない方針なのだが、「夫婦別姓刑事」でのトラブルはメディア論マターだったと気づいて、思うところを書き留めておくことにした。両俳優のどちらがどうかは私にはわからない。だがこの件で圧倒的に責任があるのはフジテレビだ。
誰が悪いかとは関係なく、責任はフジテレビにある
制作したドラマで、起きる懸念があったトラブルを未然に防げなかった。起きたトラブルへの対処も大失敗した。その時点でプロデュース責任が果たせなかったのだ。だから騒動になった。ドラマという自社製品に自分で傷をつけた。製作者として最低だ。
なぜそうなったのか。この件は昨年あらわになったフジテレビの「ハラスメント蔓延企業文化」を反省するあまりに起きたことだと気づいた。なにしろコンプライアンスを徹底していると、折に触れ発表している。ハラスメントが起きてはならないし、起きたら万全の対処をするよう社内で教育されているのだろう。
中でも反省すべきとなったのが、ハラスメント被害者を徹底的に守る、ということなのだろう。加害側は徹底的に猛省させる、ということもあるのだろう。その方針に忠実に対処した結果がこれだ。誰もが不幸になった。被害側はちっとも救われてない。加害側は加害認定にまったく納得していない。何も解決できなかったばかりか、例によって例の週刊誌に記事にされて事態は最悪になった。
責任はフジテレビにある。誰が悪いかの話ではなく、責任は誰が問われるかといえばフジテレビしかない。そして過去の件の反省をしたはずなのに、中途半端な進め方をしている。
夫婦刑事の妻役を橋本愛にオファーしたら、トラウマのことを伝えられた。それなのにどうして進めたのか。夫婦役だし佐藤二朗はアドリブが魅力の役者なので身体接触はあり得る。申し訳ないですが、と諦めるべきだったのではないか。なぜ進めたのか。過去の件で何を学んだのだろう。橋本愛が受けてくれたのを逃したくなかったのだろう。制作者の欲を優先させたのだ。ダメだろう。
佐藤側にどう伝えるかはお任せしますと言われ、伝えずに進めた。ダメダメだろう。リスクヘッジできてない。甘すぎる。ここでも佐藤二朗のアドリブが抑制されるともったいないと欲を優先させたのではないか。
第一話の撮影で接触が起きた。ようやく佐藤二朗に「実は・・・」と伝えられた。お互いにショックだったろう。橋本愛とすれば「伝えてもらったはずなのに」、佐藤二朗とすれば「先に言っておいてよ」とそれぞれなるのは当たり前すぎる。
両者との話し合いの席を設けて「申し訳ありません、お伝えしなかった私どもの責任です」とフジテレビが謝るところだった。自分たちを悪者にするべきだった。実際悪かったのだから。そういうステップがなければ本人同士何か言ってしまうに決まってる。そうしないと次の撮影なんかできない。どっちがいいとか悪いとかではない。直接話をさせてしまったことが徹底的にダメだ。ダメダメダメだ。
案の定、佐藤二朗は強い言い方をした。驚くことにフジテレビは(おそらくそのことに対し)厳重注意をした。フジテレビの声明にもあったので厳重注意したのは間違いない。
これには呆れるしかない。自分たちが伝えるべきことを伝えず、さらにそのことを詫びもせず、直接話をさせてしまい、その際の佐藤二朗の強い言い方に厳重注意???どのツラ下げてそんなことできるのか。ダメダメダメダメだぞ!
さらにここが最低なのが、主役に仰いだ俳優に厳重注意しておきながら、ドラマ制作を続けた。過去の件を反省したのなら、少なくとも冷却期間を置くべきではなかったか。過去の件では疑惑が持ち上がったのに当該タレントの番組をそのまま進めたことも反省点だったのではないか。編成に穴をあけたくなかっただけとしか思えない。ダメダメダメダメダメだ!
何かのマニュアルができていてそれに沿って厳重注意が行われたのではと推察する。マニュアルがあってもいいが、制作中のドラマの主役にそれを行うことがどんなことかはマニュアルの想定外ではないか。それを補うのが本当の制作者の手腕ではないのだろうか。
フジテレビは過去の件からまだまだ立ち直れていないのだと感じている。それどころかおかしな過剰コンプライアンス意識が蔓延しているのではないか。普通に考えればわかることだ。ハラスメントが顕在化したと誰かがチェックしてきたからマニュアル発動となったのだろう。そうじゃなくて、人と人との信頼関係をどう築くかの問題だ。
蛇足的に書くと、映画「爆弾」の大ヒットは誰の怪演のおかげだっけ?別のドラマも降板させるらしいけど、せめてもっとちゃんと調査してからじゃなかったか?こういうこと全部フジテレビに返ってくるのに。そのドラマにまで傷がついちゃうよ。
第2のフジテレビ問題への懸念
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