Netflixの広告事業は、テレビCM市場は侵さないだろう〜超ブランド広告という概念〜

日本文化が好きな海外の女性に日本への旅を誘うCMを打てば効果絶大かもしれない
7月からNetflixの広告プランに加入してみた。7月初旬に変更を申し込んだら、7月25日までプレミアムの料金をもらってるから、26日からの変更になると案内が来た。そりゃあもっともな判断だが早く変更したかったのに。
広告プランに加入してもCMは意外に出てこない
そして今、広告プランに変更してから1週間以上経った。この時から、動画を見ると下のバーにCMタイミングっぽい印が表示されるようになった。↓こういうやつだ。

バーの右側にある薄いオレンジの印。たぶんこれがCMタイミングだ(と思う)。
1時間のドラマに3箇所ほど表示される。その点の間隔は地上波民放テレビと同じくらいに思えるのだが・・・1回に流れるのは30秒CM1本だけだ。しかも、バーには3箇所CMタイミングが表示されているのに、実際に遭遇したのは1回だけだった。だから印象としては、CMタイムがさほど嫌ではない。ああ、CMですよね、どうぞどうぞと思ううちにすぐに本編に戻る。ドラマを見るテンションは下がらない。
CMには右肩に「広告」と示され、終了までの秒数がカウントダウンされる。ドラマを視聴する気持ちを途切れさせないようにしている。
CMが入るタイミングは、YouTubeのようにブチっと流れをぶった斬る無神経な入れ方ではない。地上波CMと同じように、ひと段落したところで挿入している。また早送りして途中を飛ばすとTVerではその間にあるCMを強引に見せられることもあるが、そんなこともない。このサービスは本気でCMを見せる気があるのかと疑いたくなる。
ただ、まだ私は「気を遣って」もらっているのかもしれない。1時間あたり3回とか4回とか、CMタイムが増える可能性はあるだろう。なにしろバーには3箇所あるのだから。そういうところも、Netflixらしいと思う。
Netflix独自のCMも、普通のCMも流れる
最初に見たのは、韓国旅行へ誘うCMだった。しかも、「イカゲーム」をモチーフにしている。若い白人女性が例のジャージを着て赤い服を着た人々に追われ韓国の観光名所を辿る「夢オチ」CMだった。私が韓国ドラマ「トリガー」を見ていたからかもしれない。ナレーションはほとんどなく、ストーリーもさほど面白くはない。観光名所だらけの”いかにも”なCMだった。ただ、「Netflixで韓国ドラマを見ている」状況にはしっくり馴染むCMで、悪い気はしない。YouTubeのCMのように、邪魔くさくてイライラする手法ではない。

韓国キャンペーンとイカゲーム3のタイアップCMラストカット
そんな「Netflix専用」のCMだけではなく、地上波テレビで流れるCMと同じ素材のものもあった。私が記憶しているのはIKEA、ピッコマ(漫画サイト)、などでNetflixとの親和性を感じさせる商品だった。逆に言えば、「うちの商品ならNetflixに合うんじゃない?」と思えるから広告主も出稿しているのだろう。これが今後、花王の洗剤のタレントCMが流れるようになるのかはわからない。あまり合わない気がする。
広告プランはそもそもアカウント共有禁止による離脱防止策
Netflixが広告を始めるなら、プログラミングを駆使したターゲティングでアピールするのだろう。3年前に彼らが広告プランを開始した時はそんな予測が飛び交った。だが先日、こんな記事が出た。
Yahoo!のDSPを使ってプログラマティック広告を拡大させるとの記事だが、私の感想は「まだそんな段階なの?」というものだ。広告プラン立ち上げ当初はmicrosoftと提携していたが、それから2年半も経って「次はYahoo!と組みまーす」と言っているわけだ。まだ初期段階から進展していないように思える。
Netflixの広告事業参入を見て、ついに地上波テレビの広告市場が侵されるのだ!と言う人もいるが、まだまだそんな段階じゃないでしょう、というのが私の見立てだ。というのも、彼らの広告プランはアカウント共有禁止策とセットで始まっているからだ。
提携媒体
コラボ実績
提携媒体・コラボ実績
