「検証 フジテレビ問題」が「御用番組」に見えてしまったのは、清水社長出演のせいだ

検証番組の副題に「改革」が入る違和感
6日(日)午前10時からの「検証 フジテレビ問題」を視聴した。「反省と再生・改革」と副題がついていて、その時点でおや?と思っていた。
フジテレビは夕方の情報番組「イット!」で、問題発覚以降「フジテレビの反省」と題したシリーズでこの問題の顛末や原因を伝えてきた。「イット!」は1月17日に最初に問題になった「紙芝居会見」を、まるで告発するように報じた。27日の「10時間会見」では「イット!」の放送枠を延長する形で中継した。「イット!」はフジテレビの現場の「反省の拠点」になっていた印象だ。
だからこの検証番組は「イット!」での反省シリーズの一旦の締めくくりなのだろうと想像していた。だからこそ副題の「反省」に「再生・改革」がついていることにおや?と感じたわけだ。「反省と再生」ならわかる。「改革」は会社側の言い方であって、現場発信にならないのでは?
番組が始まって「そういうことか」とわかった。いきなり清水賢治社長の謝罪でスタートしたのだ。清水氏が3分間ほど謝罪の言葉を語り、その後に宮司愛海・木村拓也アナウンサーがあらためて番組を開始した。その後は、「第一部 反省」として検証に入っていった。そのパートは、何点か物足りない部分もあったが、驚きの証言もあり、いい内容だったと思う。第三者委員会報告書の内容が、当事者が語る映像で見られたし、報告書に書かれてなかった部分も多々あって見応えがあった。
ここにフル動画が置かれているので見てもらうといいと思う。(1時間45分の長尺!)
港浩一氏が社長になる前に、女性社員を集めたまるでハーレムのような「港さんを囲む会」を定期的に開いていたことには驚いた。そりゃあ今回の事案も起こるよ。
そして大多亮氏も似たような会を持ち、「女性アナウンサーは上質なキャバ嬢」と言っていたという。ものすごくびっくりした。本人は覚えていないが証言した側は、あまりの発言なのではっきり記憶していたのだ。
そして「反省」パートでは、日枝氏が権力者に変貌するプロセスを明確に示した。2007年から2013年までフジテレビ社長を務めた豊田皓氏が、日枝氏の周りで「とり巻き、茶坊主が増殖」していたと文字で証言した。この点は素晴らしいが、そこまでやったなら、日枝氏本人に突撃取材をして欲しかった。
ただ、「反省」パートは、よくやったと言っていいと思う。ところがその後が白けてしまった。
「第二部 再生・改革」は「清水社長のお話を聞く時間」だったのだ。
「反省」パートをぶち壊しにした清水社長の「ご講話」
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