2025年、人類 vs SNSの戦い
SNSをおぞましい場にしてしまったのは、一人の男
2024年はSNSがまるで台風のようにメディアの世界を荒らしてしまった。詐欺広告がはびこり罵詈雑言が飛び交う恐ろしい場所になった。2025年、大げさに言うと人類はSNSとの戦いに挑むことになる。
だがよくよく思い返すと、SNSはネット上で趣味嗜好や考え方が近い人々とつながる素敵な場だった。これまでも、時に激しい誹謗中傷が人を傷つけ、痛ましい事件も起こることはあったが、2024年は度を超えて激しくなった。さらには選挙を混乱させて想定外の方向へ世論を向けてしまうことまで引き起こした。
なぜ2024年に突如、SNSが恐ろしい場所になってしまったのか。その原因は実ははっきりしている。人類vs SNSとは、人類 vs イーロン・マスクということなのだ。
SNSの荒廃は、ほとんどXで起きている。もちろんFacebookでも去年は著名人を騙る詐欺広告が公然とばらまかれたが、さすがにほとんどなくなった。いまもおかしな「おすすめ」が表示されたり、何の問題もない投稿が突如削除されたりするなどはあるが、改善がまだまだ途上だと解釈できる。徐々によくなると期待したい。
Xがそれと違うのは、イーロン・マスクの数々のルール変更により荒廃が進んでしまったことだ。Xはいわば、荒廃するようにルールが変えられてしまった。マスク氏はそれを改定する気はまったくない。それでいいとさえ思っている様子だ。いまやXは、「荒廃のSNS」と化してしまったのだ。