KBC九州朝日放送の持株会社化は「ふるさとWish」の延長線上にあった

昨年、ホールディングス体制に移行したKBC九州朝日放送。そこにはどんな狙いがあったのか取材しました。
境 治 2024.05.14
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昨年、持株会社制度を導入していたKBC九州朝日放送

4月の新潟放送の取材では、ローカル局が持株会社化する意義がよくわかり発見になった。認定放送持株会社の制度はキー局がローカル局を傘下に入れるためにできたと捉えられていた。だがローカル局にとってはまた違う意図で有効な制度だったのだ。

そこで気になるのが、他のローカル局の持株会社化だ。特に、これまで何度か取材してきたKBC九州朝日放送も昨年4月に持株会社制に移行していたのが気になっていた。そこで福岡に行き取締役の大迫順平氏に、持株会社化の意図を取材した。大迫氏は、2018年にKBCが始めた「ふるさとWish」の中心人物。福岡県の60市町村からテレビとラジオの番組を放送して回り、各地の自治体や地域企業との関係を構築してきた。

その大迫氏に話を聞くと、「ふるさとWish」と持株会社化はつながっていることがよくわかった。地域とのつながりを、放送にとどまらないやり方で深めていくための持株会社化だったのだ。

グループの力を合わせて地域プロデュース集団になる

KBCの持株会社化について、九州のローカル局を傘下に入れるためではないかとの噂がある。

「そういう声も聞こえてきますが、持株会社化の目的はまったく違います。」

大迫氏は、そうキッパリ否定した。

「放送収入の先細りは避けられない。福岡のローカル局としてどう生き残るかが課題でした。」

あくまでKBCが見ているのは福岡なのだと強調した。

九州朝日放送 取締役 地域共創・経営企画・人事労務担当 大迫順平氏

九州朝日放送 取締役 地域共創・経営企画・人事労務担当 大迫順平氏

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