紅白の視聴率が数分間下がった!分析して見えた意外な理由(Yahoo!記事+オマケ)

※あけましておめでとうございます。新年最初の記事は、小ネタのつもりでYahoo!で公開したものが意外にバズったので、こちらでもお届けします。(Yahoo!では書かなかったオマケ付きです)
境 治 2026.01.02
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2025年大晦日のNHK「紅白歌合戦」で面白い現象が起こった。

スイッチ・メディア・ラボ社が提供するTVALというツールは誰でもリアルタイム視聴率をグラフで見ることができる(ビデオリサーチとは調査パネルが違うので数値も違うことに注意)。紅白を見ながらTVALを眺めていたら、20時少し前に視聴率が極端に下がっている箇所があったことに気づいた。4%程度の減少なのでそれなりに大きな変化だ。

画像:TVALの画面をキャプチャー

画像:TVALの画面をキャプチャー

詳しく時間を見ると、19:56から19:59の3分間だった。

この時間は、乃木坂46が「Same Numbers」という曲を歌った。この時、「Same Numbers チャレンジ」として視聴者にちょっとしたゲームへの参加を呼びかけた。歌唱中に1から9までの数字が出てくるので、同じ数字のボタンをテレビのリモコンで押すとポイントが入る、という趣向だった。200万ポイントを超えると”スペシャル演出”が披露されるという。

この時、まずリモコンの「決定」ボタンを押すようにと、指示があった。チャンネルがロックされるので、チャレンジ中に他のチャンネルに移らなくて済むのだ。リモコンでそんなことができるとは知らなかった。

これで、3分間の視聴率ダウンの理由がわかった。先に決定ボタンを押さずにチャレンジに参加しようとした視聴者が、出てきた数字のチャンネルボタンを押してしまい、普通に他の番組に移ってしまった。そのため、紅白の視聴率が大きく下がってしまったと思われる。

関東でも関西でも同じことが起きたので、数十万世帯が誤操作をしたことになる。なかなか起きない現象だ。

さらに細かく見ると、不思議なことに気づいた。

画像:TVALの画面をキャプチャー

画像:TVALの画面をキャプチャー

赤い線のフジテレビだけ数字が極端に上がっているのだ。しかもタイムラグがある。

録画で確認すると、出てきた数字は「1→5→6→4→2→7→3→9→8」の順番だった。

しかも「8」が出てくるまで少し間があった。タイムラグの説明はつくが、どうしてフジテレビだけ数字が大きく跳ね上がっているのか。

このチャレンジの前に、決定ボタンを押すとチャンネルがロックされるが「dボタン」を押すと解除されると丁寧に説明された。そして再度、録画で確認すると「8」が出てくる前にポイントのカウンターが止まっていた。200万の目標が達成されたからだ。「8」が出てきたのはその後だった。

しかも「スペシャル演出タイム」に入って曲が盛り上がったあと、最後の最後にまた「8」が出てきた。

つまり、「目標達成」した後に、事前の説明に従って早々とdボタンを押した。ところがその後にまた数字が出てきたので思わず「8」を押した人が少なからずいた。その上、その後でまた「8」が出てきたので押してしまった人も多かった。

チャレンジの前に丁寧に「解除はdボタン」と説明があったので、目標達成後あるいはスペシャル演出時にその通りにdボタンを押した人がかなりいて、その後に「8」が2回出てきたので反射的にチャンネルボタンを押してしまった。赤い線が2段階に渡って上昇しているのはそのせいだろう。

さらに言うと、紅白の視聴率が4%も落ちたのはこの「8」を押した時だった。ということは、ほとんどの視聴者は「まず決定ボタンを押す」ことはできていたが、dボタンを押すタイミングを誤った人が多かったために紅白の視聴率が下がってしまったことになる。これは、意外に早く目標が達成されたせいだろう。だがNHK側の説明の不備もあるとも言える。dボタンを押した後にチャンネルボタンを押すと他の番組になってしまうことを説明しておくべきだったかもしれない。だが強調しすぎると、民放から視聴者を遠ざけたと言われかねないので、強く言えなかったのだろう。

紅白でこのようなチャレンジをするのは、思い切った試みで良かったと思う。だが、視聴者に慣れないことをさせると視聴率に影響することもあるのだとわかった。

紅白は視聴率をとやかく言われるのでスタッフも大変だろう。そんな中、いいトライアルだったと私は思う。ただ説明にはもう一工夫必要だったかもしれない。私としては面白い現象を捉えられた出来事だった。正月明けには、視聴率分析もやってみたい。

※ここからは、Yahoo!に書かなかったさらなる小ネタをどうぞ。

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