2025年度上期、テレビ東京がフジテレビの売上高を超えた!フジは立ち直れるのだろうか?
テレビ東京の売上高がフジテレビを上回る前代未聞!
テレビ局の在京キー局の決算が先週出揃った。各局単体の売上高と放送収入を表にまとめた。(各局ともホールディングス体制なのでグループの事業構成が様々で比べられないためテレビ局単体の数字を出している)
キー局決算資料より筆者作成
まず驚くのが、テレビ東京とフジテレビの売上高。60,996百万に対し、60,684百万と、わずかながらテレビ東京の方が高かった。こんなことが起きるなんて前代未聞だ!20年前の業界人に「2025年度の上期にテレ東がフジより売り上げで勝っちゃうんだよ」と言ったら「そんなこと起こるはずない、あんた馬鹿か!」と言われるだろう。
テレビ東京を含めて、フジテレビ以外の4局は「史上最高売上」だった。だが4局ともスポットが急増したから。よくよく数字を見ると、フジテレビの減少分と4局の増加分でほぼプラマイゼロだ。フジテレビ分のスポットをチューチュー吸ったから4局が史上最高売上になった。タイムは下がったところもあり、5局合計の放送収入は前年比5.5%の減少だった。やっぱり放送事業は完全に斜陽なのだ。「最高!」などと浮かれてる場合ではない。
フジテレビは回復できるか?まだまだ厳しい道のり
またフジテレビのCMは6月の株主総会を無事に切り抜けたので回復していると言われる。間違いではないが、9月の放送収入はやっと前年の47.5%。10月のCM取引社数は前年の72%まで戻した、ともあるがどうだろう。
これを見ると今期末までには100%に戻るんじゃないかと言いたくなる。だが本当にそうなるだろうか。
フジテレビで流れるCMを見ていると、そんな会社あったのかと驚くほど、知らない名前の企業が出てくる。中小企業やベンチャーだ。
そして今もそんな会社のCMが多い。当たり前だ。大手のCMが戻ってきたなら私たち退散しますね、なんてことになるはずがない。一度門戸を開いた企業に、門を閉ざすわけにはいかない。
そしてそういう企業には少し安く売っていたはずだ。それはそうだろう。大手企業が撤退した枠を「買ってくれた」企業なのだから、「安くしますよ」となるのは当然だ。それなのに、「戻ってきたので値上げしますね」とは言えない。もし言ったらこんなにひどい営業マンもいない、ということになる。
だから仮に取引社数が前年の100%に戻ってきたとしても、売上が100%戻るかはわからない。普通に考えれば戻らないだろう。あくまで私の予測だが。
フジテレビの番組がなんというか・・・弱い
三谷幸喜脚本のドラマ「もしもこの世が舞台なら楽屋はどこにあるのだろう」が話題だ。どう話題かというと、つまらないからと盛り上がっている。
ちょっと検索するだけでネガティブな記事が続々出てくる。三谷ファンの筆者も第一話の途中で寝てしまった。これは三谷幸喜のせいというより、フジテレビ側の体制のせいではないかと思う。
沢口靖子を迎えた月9「絶対零度」も振るわない。テレビ朝日「科捜研の女」で視聴率を獲得してきた沢口が同じような犯罪捜査ものに主演しても、うまくいかない。
フジテレビは今、何をやってもうまくいかないようにしか見えない。仕方ないと思うのが、制作費だ。
決算資料によると、上期の制作費は前年比21.9%減、金額で見ると273億円。日本テレビの上期制作費は430億円。約6割の制作費で戦うのは相当厳しいだろう。どの道赤字なのだから制作費を下げずにいい番組を作ろう、とはならないものか。
フジテレビは立ち直れるのか?
そして痛いのが、取締役が経費の使い方に問題があり辞任したことだ。世代交代によってクリーンになったはずが、そうではなかった。一人出てきたなら、別の幹部がまた違う不祥事で問題になるのではと疑いたくなる。
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