フジテレビは立ち直れるのか〜決算書類から直近の放送収入を確認する

フジテレビの現状を決算書類から分析します。
境 治 2026.05.18
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世間は忘れかけているが、フジテレビは厳しい決算を発表した

昨年度のキー局決算が出揃った。昨年、あれだけ騒動になったフジテレビだが、私も含めて忘れかけている気もする。あの頃は毎週のように記事を書いていた。
昨年5月1日にはこんな記事を書いている。

ボコボコになりながらも必死で反撃のパンチを繰り出すボクサーのように、世間に叩かれ広告主にそっぽを向かれても改革案を出し、新しい役員体制を6月の株主総会に向けて発表した。金光修氏が当初は経営陣に残ることになっていたが、あちこちから叩かれSBIの北尾吉孝氏から恫喝にも見える会見で叱られ、ダルトンインベストメンツからは代わりの役員案も出された結果、退くことになった。旧役員からは清水賢治氏だけが残って奮闘し始めた。株主総会は切り抜けたものの厳しい戦いが続き、上期はテレビ東京にも単体売上高で追い抜かれてしまった。

面白いことに、他のキー局はどこも「過去最高の業績」を続々発表。近年は各局とも放送収入をじわじわ減らしていたのだが、2025年度だけはフジテレビが得るべきCM受注が分配される形で特にスポット売上が前年比で格段に上がった。聞くところでは、1月に騒動が起きたことに対し、広告主は予算の大枠は見直しが間に合わないまま新年度を迎え、テレビ広告費の総額は変えなかったのでフジテレビ分が分配されたという。実際、5局の放送収入を足して前期と比べるとほぼプラマイゼロだった。

各キー局決算資料より筆者作成

各キー局決算資料より筆者作成

放送収入は騒動前と比べてどこまで回復したのか

決算の結果は、すでにいくつもの記事で報じられている。グループとして初の営業赤字とある。

フジテレビ単体の営業赤字は325億円。前年度の営業赤字は140億円だったので傷口は広がった形だ。一方で、年度後半からは広告主が戻ってきたとも発表していた。広がった傷口がいまは塞がりつつあるのだろうか。
おそらく第4四半期、つまり1月から3月の3ヶ月間はずいぶん持ち直しているのではないか。ただこれは前年比では見えてこない。昨年の1月に騒動が始まっていたのだから一年前と比べても持ち直したかどうかはっきりしないからだ。
そこで2023年度と比べて放送収入がどう増減したかを表にしてみたのがこれだ。

フジメディアホールディングス決算資料より筆者作成

フジメディアホールディングス決算資料より筆者作成

第1四半期は2年前より301億円も減少し、16.5%になった。それが37.9%、79.7%と四半期ごとに回復し、ついに第4四半期には90.2%まで戻った。もう大丈夫とまでは言えないだろうが、再びリングに立って試合を再開できる状態になったとは言える。業界から消え失せるのではと本気で心配したが、そんなことにはなりそうにない。
ではもうフジテレビは立ち直り、再び成長すると考えていいのか。そこはまだよくわからない。不動産事業の売却という、不安材料でもあり新たな挑戦への布石でもあるような事態が年末から巻き起こっているからだ。フジに限らず、メディア企業は不動産の利益で運営していけばいい、とよく言われるが、その流れから外れてしまうのだろうか。

旧村上ファンドに迫られて不動産事業売却、コンテンツに全集中

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