メディア企業の中にも、高齢なトップが君臨し続けるところはある
ジャニーズ事務所はジャニー喜多川氏が亡くなるまで高齢者による権力が保たれた。メディア企業の中にも同じように功績ある高齢者が支配するところはあるのだ。
境 治
2023.05.22
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日本のメディアは老人たちが支配し続けている
ジャニー喜多川氏の行為をメディアがこれまで伝えなかった原因は拡張すると「会社と個人の関係のイビツさ」があることを、今日のもう一つの記事で書いた。
それとは別に、ジャニーズ事務所の一件を日本とメディアの問題に拡張するもう一つ別の方向性がある。「高齢者が握り続ける権力」についてだ。日本のマスメディアは「戦後」の写し鏡であり、例えばジャニーズ事務所はじめ芸能事務所も戦後、テレビと共に発展してきた。その発展を支えてきた実力者たちはもう70代、80代になっている。ジャニー喜多川氏も80代で亡くなった。ジャニーズ事務所が一人の高齢者により全てが支配されてきたのと、似たり寄ったりの企業はマスメディア企業にもたくさんあるのだ。特異な性癖まで同じ人はいないと思うが、その人物が君臨し続けているがために変われない企業は多い。そしてジャニー喜多川氏が亡くならないと問題が露呈しなかったようにそれぞれのマスメディア企業の問題も、本質はその支配者が居座り続ける限り、解決には向かわないのだろう。そう思うと、途方に暮れるしかない。