【訂正記事】正月の「紅白の視聴率が数分間下がった!」は誤りでした〜謹んでお詫びします〜

誤りがある記事を配信してしまいました。申し訳ありません。
境 治 2026.01.19
誰でも

TVALという誰でも使える視聴率測定サービスで2025年のNHK紅白歌合戦の様子を眺めていたら、19時56分から3分間ほど、視聴率が3%程度下がっていた。

TVALの画面:紅白歌合戦が急に下がり8チャンネルが上がった

TVALの画面:紅白歌合戦が急に下がり8チャンネルが上がった

乃木坂46が「Same Numbers」を歌う際、曲名にちなんで「Same Numbers チャレンジ」を視聴者に呼びかけた。リモコンを使い、曲中に出てきた番号と同じチャンネルボタンを押すとポイントが加算され、視聴者のポイントが合計200万を超えたら”スペシャル演出”が披露されるというものだった。チャレンジに参加する際は、最初にリモコンの「決定」ボタンを押すようにと指示があった。これによりチャンネルが固定され、別の放送局の番組に変わらずに済む。dボタンを押せばこれが解除されるという。

このチャレンジが視聴率を動かしたと私は考えた。早々とポイントが200万を超えたが、その後に「8」が示された。目標達成したのでdボタンで解除した人が、さらに「8」が出てきて思わずチャンネルボタンを押してしまったと推理したのだ。最後に8チャンネルの視聴率が上がっていたので、そう考えればしっくりくる。間違いないと思った。この記事はYahoo!でも公開したのだが、トピックスに入り驚くほど読まれた。今年は幸先がいいと喜んだ。

視聴率計測で「決定ボタンでチャンネル固定」は想定していない

仕事始めの週に、TVALを提供しているスイッチ・メディア社から連絡があった。

同社の説明によると、紅白の「チャレンジ」の際の視聴率の急変はデータの異常だったという。これは驚天動地!私は異常をもとに記事を書いてしまったのか!

どんな異常なのか?簡単にいうと、TVALの視聴率測定に「決定ボタンを押すとチャンネルが固定される」ことは想定されていないために起きた。

TVALの視聴測定では、リモコンでどのチャンネルを押したかを記録する。だが決定ボタンによるチャンネル固定は、このチャレンジでNHKが特別に開発したこと。当然、TVALの想定外の動作だ。だからチャレンジで出てきた数字を押すたびにそれぞれのチャンネルが反応した。そして最後に「8」が出てきたため、いちばん大きく反応した。

赤が8チャンネル

赤が8チャンネル

私が推理した「目的を達成したからdボタンを押した」ことはまったく関係なく、単純に最後が「8」だったから8が伸びた、ということだ。

TVALでは1分ごとに音声マッチで視聴チャンネルを確認しており、その機能で「8チャンネルを見ていない」と判断され元に戻った。その一連がそのままグラフになった、ということだ。

幻のデータをもとに記事にしたことのお詫び

視聴率急変に”見えた”仕組みがよくわかった。そうすると私は、存在しないデータを見て面白がり、勝手にその理由まで推測して記事にしてしまったことになる。その結果、誤った内容の記事を送り出してしまった。そのことは全くもって申し訳ない。この記事は爆発的に拡散され大勢の人が読んでくれた。私の発見を面白がってもらえたからだが、それは事実ではなかった。せっかく楽しんでもらえたのに重ねて申し訳ない。ここにお詫びしたい。

自分として反省している点がある。私もTVALがリモコンで視聴率を測定することは知っている。だからよくよく考えれば、異常値だと気づくことができたかもしれない。じっくり検証せず、視聴率急変を発見したことに浮かれ夢中になって元日から記事を書いていた。冷静になるべきだったと大いに反省している。

またTVALを提供しているスイッチ・メディア社には何の瑕疵もないことを強調しておきたい。視聴率測定上、想定していない「決定ボタンによるチャンネル固定」をNHKがこの時だけ設定しただけで、測定手法に問題があったわけではない。この時しか起こりえない動作が発生しただけだ。

TVALは広告主企業に有料で詳細なデータを提供している。一般視聴者にも気軽に体感してもらおうと、リアルタイム視聴率のみを無料で提供している。有料でデータを提供する企業には、精査して調整すべき点は修正して渡しているそうだ。だからこの日の異常値も契約企業には修正して提供しているとのことだった。

スイッチ・メディア社が自社のブログで紅白歌合戦のデータを分析しているので、目を通してもらうといいと思う。

誤った記事を書いてしまったことは反省しているが、今後もファクトを元にした記事を書いていこうと思う。ただし、今までにも増して確認を怠らないようにしたい。

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