2024総選挙で自民党大敗、同時にテレビがYouTubeに負けた

今回の総選挙でYouTubeは選挙に役立つインフラになりました。テレビはどうでしょう?
境 治 2024.10.31
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選挙に勝ったのは、立憲民主ではなく国民民主だった

今月7日に、YouTubeが政治家を生む時代になったと書いた。その理屈で言うと、今度の総選挙でもYouTubeが影響したはずだ。何か言えることがないかと考えていたら、こんな記事を目にした。

比例代表の得票数で自民公明が大きく票を減らしたと見出しにあるが、立憲民主は横ばいで国民民主が大きく票を伸ばしたともある。そこで、記事中に出ている今回と、前回2021年の選挙と比べた表をExcelに写しとってみた。

あくまで比例代表の結果だが、今回の選挙の新たな側面が見えた。

わかりやすいのが維新の変化だ。294万票減っている。保守党と参政党の得票数を足すと301万票で非常に近い。これだけから断定はできないが、維新後退の一因が保守党参政党の登場にあると言えそうだ。

れいわは158万票増加しているが、その半分は共産党の80万票と推測できる。不思議と、みんなでつくる党の77万票を合わせるとれいわの増加分になる。

そして自民党の533万票はどこへ行ったのか。これと公明の減少分114万票を足すと648万票になる。そこから合計の減少分、つまり投票しなかった分283万票を引くと365万票になる。国民民主の増加分357万票と非常に近い。

少なくとも比例代表では、自民党の減少分は投票しなかった数と国民民主に流れたと見ることができる。

そしていくつかのメディアの年齢別の得票数では、20代30代で国民民主党が最も多い。そうすると、若い世代でそれまで自民党に入れていた人々が国民民主に流れたと、あくまで仮説だが言えるのではないか。投票しなかったのは高齢層だったかもしれない。

さらに、比例代表の投票先と選挙区の投票先は同じ政党であることが多いだろう。となると、立憲民主党が支持を伸ばし躍進したのではなく、自民の自滅点を国民民主党がうまく受け皿となり掬い取ったと言える。勝ったのは立憲ではなく国民民主だったのだ。

YouTubeチャンネル登録者数を各党は伸ばせたか?

今度は、各政党のYouTubeチャンネルの登録者数を見てみよう。私は公示日翌日の10月16日時点の各党チャンネルの登録者数を記録していた。それと、10月30日時点の登録者数を比べると面白いことがわかった。

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